空冷ポルシェ911カレラ
空冷ポルシェ911カレラ
第二次大戦中、日本の戦闘機は空冷エンジンが主流だった。
整備が安易でありコストが安価であったことによる。
もちろん技術的にも遅れていたこところはある。
水冷であればラジエターが必要なため、
機体が大きくなり敏捷性を減らす方向に傾きやすい。
空冷式エンジンはそのかわり、
エンジン轟音に注意しなければならなかった。
日本陸軍最後の戦闘機と詠われている五式戦闘機も
そうした空冷エンジンの名戦闘機である。
長くエンジン音の環境下にいれば難聴になること
は間違いないところだったようだ。
水冷式より空冷式の方がエンジン音が大きいのである。
ちなみに空冷ポルシェ911カレラの音が独特の
エンジン音を響かせるのは空冷ならではのことである。
乾いたエンジン音とでもいうのか、
であってもポルシェとわかる音である。
考えてみれば空冷ポルシェ911カレラはなぜか第二次大戦時の
プロペラ式名戦闘機と重なり合わせるところがある。
クラシックな独特のフォルムがあるせいかもしれない。
これぞポルシェといった風情だ。
馴染みの無い人にとっては、前面が妙にコミカルに映るかもしれない。
しかし、この大胆なフォルムにこそポルシェの独自性を見てとれる。
かといって性能は他のクルマの追随を許さないのだ。
無駄を排除した車内は、戦闘機のコックピットを彷彿させるのである。